こんにちは。予防獣医師のNAOchanです。
今回は...体温維持と血液のきれいさと健康と病気についてお話します。
健康科学の中でも「血液」は一位二位を争うくらい大切な話です。
要は、体温と血液の状態はめっちゃ大事ですという話です(笑)
このZOOTISTブログでも何回にもわけてご紹介する健康科学なので、ぜひご覧ください!
目次
体温と血液の状態で健康と病気はほぼほぼ決まります
最近、低体温症という言葉をよく耳にします。
これは、体温の平熱が低い状態を意味しており、それゆえいろいろな病気になりやすい状態になってしまっているということです。
ちなみに健康的な平熱は以下の通りです。
- ヒト:36.5 – 37.0℃
- 犬猫:38℃台
低体温症は一種の生活習慣病であり、生活環境病でもあります。
つまり、現代病です。
低体温ということは、単純に言うと、
血流の低下です。
血液の流れのとどこおりとも言えます。
実は、多くの人やペットは、低体温症を経て多くの病気にかかり、死に至っています。獣医師として動物救急の現場にいると、患者のほとんどが犬猫なのに37℃台、時には36℃台という患者もいます。
病気になって弱っているときは体温が低いのですが、そもそも体温が低いから病気になっていったということも考えられます。
さらに、病気の動物たちのほとんどが血液検査で
- 尿素窒素
- 中性脂肪
- コレステロール値
- ビリルビン
- 乳酸値
- 尿酸値
- 酸化度
あたりに異常があり、どんどん進行していきます。
つまり、
血液の汚染です。
救急医療ではそれらを浄化、排泄させるために点滴治療を行います。
このように「体温」と「血流」は救急症例でも問題となることが多く、これらの乱れが万病のもとともいえるのです。
そのことをもっとわかりやすく説明したのが
【病物語】
です。(どこぞのアニメ風)

代表的な病気はすべて低体温が原因と考えられるから【病物語で説明】
結論から言うと
病気のほとんどが低体温症と血液汚染からきています
そのメカニズムについて、東洋医学的観点から説明していきます。
東洋医学では
万病一元、血液汚染から生ず
要は、病気はすべて血液が汚れることでおきますよということです。
ぼくはよくこのメカニズムを【病物語】と呼んで遊んでいます(笑)
大体の全身疾患は以下のような経過をとります。
- rash:発疹
- infla:炎症
- cure:硬化
- C / D:腫瘤または出血
それぞれをみると、すべて低体温症と血液汚染が絡んでいることがわかります。
順番にみていきましょう。
① rash:発疹

発疹と聞くと何を思い浮かべますか?
- 湿疹
- 風疹
- 蕁麻疹
- 丘疹
- 膨疹
- 水疱
- 痂疲
- びらん
- 潰瘍
- 結節
挙げるときりがないですが、皮膚や粘膜にでる症状ですね。
これらは体内の毒素など、老廃物を外に出そうとして起きる現象(症状)です。
血液汚染がおきると、血液にたまった老廃物を外に出そうと、手始めに皮膚や粘膜、つまり体表に老廃物を移動させ、排泄します。
患者を観ただけで健康状態が大体わかるというのも、この段階で判断がつくからです。
これは立派な症状です。
症状は最高の診断士であり、治療師である。
要は名医である。
とよく言っていますが、発疹がおきるから、うまいこと体外に毒素を排泄しているわけですね。
さらに、血流がとどこおりなくなされ、体温が適正維持されていると
- 白血球による免疫機構が活性化され、老廃物除去がすすむ
- 体温維持で代謝酵素が活性化され、毒素を無毒化できる
- 血流がしっかりしているため、老廃物を皮膚や尿からしっかり出せる
ここめっちゃ大事です。テストに出ます(笑)
- 免疫機構
- 代謝機構
- 排泄機構
健康維持の三兄弟です。
この症状の段階から病状が進行しないよう、予防することが大事です。
そうしないと、次の病気物語のページが開かれます…(笑)

② infla:炎症

お次は炎症です。
これはわかりやすいですね。
獣医病理学でも習うのですが、炎症の五大兆候というものがあります。
- 発赤:赤くなる
- 腫脹:はれる
- 疼痛:痛み
- 発熱:熱くなる
- 機能障害
これが炎症の病態、定義です。
症状として代表的なのが
- 発熱
- 痛み
- 食欲不振
です。
たまに発熱をおこさない肺炎などの炎症もありますが、後述します。要は発熱しない炎症は「ヤヴァイ」ということですね(笑)
炎症といえば、代表的なものは
- 皮膚炎
- 結膜炎
- 肺炎
- 気管支炎
- 胃腸炎
- 肝炎
- 胆嚢炎
- 膀胱炎
などが挙げられます。
炎症も「血液汚染」が原因です。
炎症反応は血液中の老廃物を「燃焼」させる機構だからです。
発赤して赤くなるのは、血管拡張して白血球という免疫細胞を血管外に出して、炎症部位にもっていくことで免疫反応をおこすため。
腫脹してはれるのも、そもそも血管拡張しているからはれてきます。
疼痛で痛むのも、その部分を安静にさせるため。
発熱するのは西洋医学的には菌をやっつけるため、東洋医学的には老廃物を燃焼させるため。
機能障害もいいかえると機能低下で、一度炎症部位を休ませるためにあります。
炎症という症状は身体のためにがんばってくれているのです。
①であげた「発疹」で出し切れない血液内の老廃物を処理する機構として炎症反応があるのです。
白血球による免疫機構は、体温が適正維持されていると働きが活性化されるので、症状の段階で自然治癒されやすくなります。
血液の浄化と体温はこの段階でもとても重要なのが分かります。
③ cure:硬化

「硬化」とひとことで言いましたが、よくある疾患や症状としては
- 動脈硬化
- 高血圧
- 血栓
- 結石
- 線維化
が挙げられます。
ストーリーを説明します。
まず発疹や炎症で対処しきれない老廃物毒素をどうするか?
この状態は、体外に排泄する力が衰えた高齢期に多い状態です。
前述した発熱しない炎症(たとえば無熱性肺炎など)は cure:硬化 の段階にきているということです。
排泄しきればい血液中の老廃物は、血管内壁に固めて沈着させてでも排除しようとします。そうすることで、血液自体は浄化されるからです。この機構が「動脈硬化」です。
血管壁が硬化によってどんどん分厚くなると、血流が低下するため、心臓ががんばって血液を全身に拍出しようとします。そうすることで、心臓も疲弊するし、血圧が症状します。「高血圧」です。
そして、細くなった血管に高血圧によってパンパンになった血液、そうなると、老廃物を固めて「血栓」という血の塊を作ります。カサブタみたいなものが血管の中にできてしまうのです。
これによって脳梗塞などが起きます。
この「硬化」の現象は老廃物を固めて血液以外の体液でも浄化しようという機構なので、
- 尿や原尿で硬化がおきると「結石」
- 胆汁で硬化がおきると「胆石」
- 壊死した細胞の間(細胞間液)部分をうめて固めると「線維化」
となります。
硬化までくると、どんどん体温は下がっていきます。血流などの体液の流れが遮断されるからです。
①②の段階だったら、発熱して老廃物を外に出そうとする機構でしたが、③の硬化までくると、逆に外に出すのをあきらめてしまいこんでしまいます。
そうなると、体温低下が進んでくるのです。
つまり、②と③の段階の境目は大きなターニングポイントになってきます。
だから西洋医学でも、硬化が始まると外科的に手術をすることが多くなるのです。
④ C / D:腫瘤または出血

これが病気の究極体、極地です。病気物語の終焉です。
C / D は”convergence”と”divergence”の略です。
これは動物0次診療®やエネルギー哲学でもよく登場する言葉です。
要は「収束」と「発散」を意味します。
最終的に行き場のなくなった老廃物はどうなるのか?
選択肢は二つです。
以前と同様
- 「硬化」のようにもっと固めるか:収束 ”convergence”
- 「発疹・炎症」のようにもっと排泄するか:発散 ”divergence”
をより強化したものです。
つまり
- 「収束」の究極体が「腫瘤」
- 「発散」の究極体が「出血」
です。
腫瘤は老廃物を閉じ込めてしまうために、もう細胞ごと固めちゃいます。
出血は老廃物をとことん出すために、もう血ごと体外に出しちゃいます。
なるほど、これ、獣医だからなおさらわかるんですけど、これら腫瘤と出血の両方の性質をもっているのが「腫瘍(がん)」なのです。
腫瘍(がん)は症状の究極体である「腫瘤」と「出血」を兼ね備えた最終極地である
という感じです。
がんができると、よく血を吐きます。
- 呼吸器系のがん:喀血
- 食道や胃がん:吐血
- 腸のがん:下血
- 泌尿器系のがん:血尿
- 子宮などのがん:不正出血
- 胸腔内臓器のがん:出血性胸水や心嚢水
- 腹腔内臓器のがん:出血性腹水
動物救急でもこれらの症状が出ている場合の多くは、腫瘍性(がんや肉腫)でした。
腫瘍は白血球による免疫機構で抑えることができますが、これも低体温であると、うまく機能しません。
なので、あらかじめ健康的な体温を維持することがいかに大事かがわかります。
つまり、これも予防です。

もっと詳しく知りたい方向けにお勧めの書籍があります↓↓↓
すぐに体温をチェックできる方法とは?
低体温は他にも
- 酵素の活性
- エネルギーロスの低下
などにもかかわっていますが、今回もボリューミーな記事になったので、いったん閉めたいと思います。
他にも体温と尿に共通する「ジェットコースター現象」などなど…
体温の重要性はまだまだたくさんあり語りつくせないのですが、今回はここまでにして、最後に体温の計り方のお話をします。
人だったら体温計をわきに差し込み計りますが、ペットは違います。犬や猫には直腸温を計るため、お尻の穴から体温計を差し込みます。それが嫌なら耳に体温計をつっこみます。
これを繰り返すと、なんか炎症がおきそうだし、動物たちのストレスになってしまいます。
だから、一番良い方法として提案したいのが
腹部体温を蝕知する
ということです。

おなかの部分に手を当てて、毎日その感覚を覚えておくということです。
詳しい温度など、数字としては表れませんが、毎日蝕知していると、ある日体温が低下していることや、逆に上がっていることが分かるようになります。
体温が低いということは、循環や代謝が鈍っている証拠で、不調や未病のサインがある可能性が高いです。
逆に、高体温だと、興奮状態でない限り、免疫機構が過剰に働く感染症がおきている可能性があります。
このように、腹部体温を計ることで、日々の健康状態を把握することができるのです。そして、病気の早期発見にもつながります。
さらに、腹部の体温を計る理由として
腹部臓器の温度を知ることで、代謝の度合いを確認することができる。
というメリットがあります。
腹部には、胃腸や肝臓、腎臓などの生命維持のために欠かすことができない臓器があります。そしてそれらは消化や代謝、排泄をつかさどる臓器であり、血液循環などが円滑になっていないと機能が一気に下がります。
つまり、腹部の体温が低下していると、それらの臓器や酵素の活性も低下しており、健康状態が低下して、病気のリスクが上がるということです。
腹部の蝕知は同時にマッサージにもなります。腹部マッサージにより、代謝や循環を促進させることができるし、さらにペットとのコミュニケーションも充実します。
詳しい触知の仕方などはまた動画などでもご紹介していきます!
おかげさまです。
毎日体重を計るより、毎日体温を計るべし
予防獣医師 NAOchan

当サイト「ZOOTIST ~動物的であれ!~」 では「動物と人間と自然との共生社会の実現」を目指し、さまざまな情報共有をしています。共生社会の実現のためには、人間と動物が心身ともに健康的であることがとても重要なことです。ZOOTISTでは人間と動物がともにできる健康や予防や医療(医良)についての情報を配信しています。当サイトで健康や予防について一緒に勉強していきましょう^^
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