こんにちは。予防獣医師のNAOchanです。
夏ですね。熱いですよね。
ということで、今回はわんちゃんの熱中症に備えて、暑さ対策についてお話します。
あ、車内に放置とかそういうレベルは論外ですからね?(笑)
この記事を読むことで、今すぐできる愛犬に対する熱中症の予防だったり、暑さ対策について具体的に知ることができます。
動物救急医療を通しての経験と、予防獣医師ならではの対策をお話していきます。
逆に危ない対策みたいなものもありますからね(笑)
目次
犬の暑さ対策で熱中症を予防しよう
室内環境の対策
まず大事なのは「適した室温」ですよね。
これは熱中症対策で最も重要です。
人間でも25度以上の夏日で湿度が90%以上だと要注意と言われています。わんちゃんでも人間が快適と思えるような温度が理想です。
犬は汗腺がほとんどないので、人間よりかは湿度は重要視されませんが、もちろん高温多湿だと熱中症だけではなく皮膚病などのリスクも上がるので、適した湿度も大事です。
室内の大気を循環させるようなサーキュレーター(扇風機など)で室温のムラを調整することも重要です。
部屋をエアコンなどで冷やしているつもりでも、全体的に部屋の空調がきいていないこともあるからです。大気の循環は湿度や温度のムラを調整してくれます。

唯一汗をかく場所といわれている「肉球」部分を水などで冷やすということも考えられます。
これは別に愛犬が嫌がったらやらなくてもいいので、ほかの方法をトライしてみてください。
いざとなったときに使えるように「凍らせたペットボトル」を用意させて、冷却材として使えるようにしたほうがいいです。
犬が自発的に体を冷やることができるような環境もあったほうがいいですよね。
人間だって自分が暑いときは扇風機つけたりエアコンつけたり水飲んだりシャワー浴びたり…
愛犬にそれをさせないのはかわいそうなので、できればわんちゃん達も自発的に体温をコントロールできる環境を作ってあげましょう。これ意外と盲点です。
たとえば…
・ 洗面所を開放して水浴びできる環境をつくる
・ 普段より水飲み場を多くする
・ 扇風機などをつけて身体を冷やせる場所を作る
自分でコントロールできる。これはストレスリリーフでもとても重要ですね。
留守の間もめちゃくちゃ重要です。
・ エアコンのつけ忘れがないかどうか
・ 自由に水を飲める状態にしているか
・ オンラインで家庭の室内状況が分かるアプリなど
室内でできることは基本このくらいだとは思います。
次は意外と盲点、キャリーバッグです。

キャリーバッグでの対策
キャリーバッグでの事故は多発しています。動物救急でもよく来院されますね。
車内放置みたいな状況になるので、下手すると動物虐待になりかねません。
特に黒いキャリーバッグ。。。そりゃ熱くなりやすい色ですからね。
飼い主目線だと意外とキャリーバッグの中まで意識が行き届かなかったりするようですが、NGです。
・ キャリーバッグを喚起する
・ キャリーバッグでの移動時はこまめに水分補給をとる
・ 黒色のキャリーバッグは控える
・ 密閉されたようなキャリーバッグは控える
キャリーバッグの中は特に愛犬が拘束されてコントロール効かないので、ストレスにも注意ですね。

あと、キャリーバッグに保冷剤とか入れる方もいますが、保冷剤を誤食する犬もいますので注意しましょう。
散歩や野外での対策
散歩でまず一番重要な対策は
散歩の時間帯です。
朝は7時まで
日中は控えて
夜は20時以降
例えばこの時間帯を選ぶというのもいいですね。

直射日光をなるべく避けた散歩を心がけましょう。
コース選択も大事です。
やはりアスファルトをできるだけ避けたコースにしましょう。
アスファルトの上は昼間は50度以上になるともいわれています。
そして、飲水用の水を常に持ち歩きましょう。これも当たり前ですね。
一つ注意なのは、クールバンダナみたいに首に巻く保冷剤みたいなのありますよね?
あれ保冷剤の誤食につながるので、要注意です。
保冷剤は飼い主さんがもっていて、適宜必要に応じて身体を冷やしてあげるのがいいと思います。
散歩の後に愛犬の身体が熱くなっている場合は軽くシャワーをする方もいます。
サマーカットはどうなの?
ロングコートのわんちゃんにはよくサマーカットをすることが多いと思います。
サマーカットは暑さ対策にもなると思いますが、一概に良いというわけではなく、
メリットデメリットあります。
メリットとしては
・ 熱がこもらなくなるので、暑さを早く逃がせる
・ 衛生的、手入れが容易になる
デメリットとしてよくあげられるのが
・ 直射日光、紫外線が皮膚にあたることによる障害
・ 直射日光やアスファルトからのダイレクトな熱を受けやすい
サマーカットをするなら適度な長さでカットするのが良いと思います。

これは逆効果!?
氷を食べさせるっているのもそんなに意味があるのか?という感じです。
氷食症かよって感じの犬もいますけど、これには一つ弊害があります。
それは保冷剤も食べ物だと勘違いするケースが増えるということです。
保冷剤は冷たいですし、どうやら甘いようです(笑)
保冷剤に含まれている中毒物質のエチレングリコールを誤食すると中毒症状が出てしまいます。
動物病院で吐かせたり、点滴治療をしたり、救急のお世話になる可能性もあるので、あまり氷に慣れさせないほうが無難ですね。
毎年夏になると何件もエチレングリコール中毒で来院するので注意しましょう!
それよりもしっかり飲水して気温を適切に保つ。
これが一番重要です。

症状が出たら・・・?
昼間はちょっと脱水症状があるかな?という状態だったけど
夕方になってきてまだあまり元気はないけど
少し気温も下がってきたから大丈夫かな?
これNGです。
脱水症は進行性の症状や病態です。
気温が下がったから脱水が改善されるわけではありません。
元気がない状態、食欲がない状態が続き、
口の中の粘膜が乾いている場合はもう救急的な点滴の必要性があるかもしれません。
あと、、、
冷水ばっしゃーはやめてくださいね。
氷水はもっとです。
冷やしすぎた水でやっちゃうと急激な温度変化でショックをおこすこともあります。
夏は暑さ対策は必須です
ここまで、犬の暑さ対策、熱中症の予防方法についてお話してきました。
意外とまだまだできることあるなぁと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、
まずはできることからやっていきましょう。
今日の内容はYouTubeでも配信していますのでご覧いただけると嬉しいです。
なりやすい犬種や症状についても詳しくお話しています↓↓↓
今回もありがとうございました。
予防はエンターテイメント!

予防獣医師 NAOchan
当サイト「ZOOTIST」では「動物と人間と自然との共生社会の実現」を目指し、さまざまな情報共有をしています。動物と人間の共生のためには「動物予防医学」の普及はとても重要なことです。ZOOTISTでは動物0次診療®︎の理念のもと動物予防医学についてわかりやすくお伝えしまいります。当サイトでペットの健康について一緒に勉強していきましょう^ ^
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