予防獣医師 犬の喧嘩

こんにちは。予防獣医師の直良です。

今回は「犬同士で喧嘩してしまいます」というお悩みが多いので、それについてお話ししたいと思います。

たしかに、一緒に暮らしている犬同士が喧嘩していると、なんだか不安になりますよね。喧嘩を始めたらどうすればいいのかわからずあたふたしちゃう。そんなことも多いと思います。

この記事を読むことで

  • 犬同士がなぜ喧嘩してしまうのかがわかる
  • 喧嘩の止め方がわかる
  • 喧嘩の予防法がわかる

ようになりますので、お悩みの方は必見です(↓)

犬が喧嘩する理由とは?

順位が乱れる【犬社会の秩序崩壊】

オオカミの群れは個体の間で順位がつけられているのは有名な話かも知れません。もちろんそれはわんちゃんでも同じです。多頭飼いをしている家庭では、犬同士がお互いの優劣の順位を意識して暮らしています。

犬も生まれて数カ月ほどで兄弟間に順位がつけられます。

犬社会はランキング形式

順位をつけたほうが逆に秩序が保たれて争いが少なく、群れとして円滑にものごとを進めることができるようになります。順位が上の犬が「優位」、順位が下の犬が「劣位」となります。今回のテーマである「本気の喧嘩」も減らせるんですよね。

だから、順位が決定するまでは喧嘩をすることもあります。

人間みたいに殴るとお縄になりますという社会ではないのが犬社会(笑)順位をつけて犬社会の秩序をたもつうえで、必要な喧嘩もあるんです。人間はそういう意味でちょっと平和ボケ?してるのかも知れませんね。(笑)

しかし、兄弟喧嘩がいつまでもなくならないことがあります。

その原因は・・・家族の「飼い主」にあることが多いのです。

え!私!?

人間は「平等」が大事と思いがちです。学校教育から平等教育が始まり、平等であることが正義…みたいなのが道徳や風紀で教えられますよね。優位や劣位なんてのはいじめの原因になるという感じですね。

この平等主義というのが「犬社会の混乱(カオス)」を招いてしまいます(笑)

たとえば…「おもちゃ」

基本的に野生では優位のオオカミやイヌが先に食事にありつきます。それはおもちゃでも同じです。

でも、飼い主は「劣位の犬が可愛そう…」という思考がはたらくと、劣位の犬に先におもちゃをあげます。というか、あげたくなりますよね。(笑)

食事も先にあげたくなるし、なでなでも先にしたくなります。

しかし、順位で秩序が保たれている「犬社会」に「人間」がそれを乱すようなことをするとどうなるのでしょうか?

劣位のわんちゃんに先に食事やおもちゃをあげて、遊んであげたりすると、優位のわんちゃんは「はぁ?」ってなりますよね(笑)要はおもしろくないわけです。

そうすると下克上。劣位の犬が自分の順位をあげようと、優位の犬と喧嘩を始めます。

そしてそして…弱いものを守りたい飼い主は、喧嘩の際に、優位の犬に叱る傾向があります。なので、余計に悪循環となり、犬社会の秩序崩壊まっしぐらになるのです(笑)

そういう時は、、、まず優位な方からかわいがったり褒めたりすると効果的だし、犬にとってもお互いメリットがあることを理解しましょう。弱いものをかばうというのは人間の論理やモラルです。

兄弟犬こそ「順位」が大事!?

兄弟って、似てますよね。そりゃ共有する遺伝子も多いし、産まれたタイミングも同じならなおさら似ています。体格差だって、性格だって、環境への適応度だって似ていますよね。

だからこそ「犬社会の秩序」はめちゃくちゃ大事です。

  • 大型犬や小型犬のような「体格差」
  • 性格や気質の違い
  • 家に迎え入れられたタイミング「先輩と後輩」

など、順位を決定付ける要素が多ければ多いほど、順位は決まりやすくて「犬社会の秩序」は早く構築されます。

一方、それらがすべて似ている「兄弟犬」であれば、順位付けは結構シビアになりますよね(笑)人間の双子も同じなんでしょうかね?(笑)

能力や経験値がそこまで違わない場合は、人間が介入して劣位犬をひいきしてアシストすると、下克上しようと意図も簡単に秩序崩壊!

兄弟喧嘩になります。

そして、兄弟の能力差が大きくないので、順位がつきにくかったり、秩序が曖昧になって、喧嘩が長引いてしまうことが多いです。

獣医チックにいうと「慢性的な喧嘩」です(笑)

散歩中の喧嘩は順位が不明瞭だから

散歩をしているときに他のおうちのわんちゃんと喧嘩をすることもありますよね。なんであんなにけんかするんでしょうね?(笑)

それは一緒に暮らしていないために、まだ順位付けが明確な状態だから喧嘩することが多いからです。順位をつける過程で、力量を測るために喧嘩をすることはよくあることです。

喧嘩になってしまうとやっぱり事故が起きないかが心配ですよね。

事故予防をするためにも

  • しっかりリードを装着して散歩する
  • トラブルが起きそうな犬がいる場合は遭遇しないよう時間帯やコースを変更する

といった予防策をするといいでしょう。

犬同士の喧嘩を止めたい!その方法論

おきてしまった「不要な喧嘩」を止めたい時に適切な方法を知っておくことは重要です。ここでは犬同士の喧嘩の止め方についてご紹介します。

素手はNG!

動物舐めちゃいけませんよ。身体能力は人間の比ではありません(笑)

いつもの「うちの子」として相手にすると痛い目みます。「興奮状態」の犬には当然咬まれるリスクが上がります。

長い棒などを利用して咬まれるリスクを減らしましょう。文明のリキを使いましょう(笑)リードをつけていたら、リードワークで移動させましょう。

ほうきとかがちょうどいいかも?

お互いが見えない場所まで誘導する

喧嘩をしているときは、興奮状態を一時的に抑える必要があります

興奮の原因はお互いが近くにいて攻撃できる範囲に位置しているからです。

一度話して、攻撃できないところまで移動させることが重要です。その時は、二頭それぞれが良くいる、落ち着ける「テリトリー」に移動させておくといいです。精神が落ち着き、安全欲求を満たすことができます。

水をぶっかける!

リスクが少なく、気をそらすためによく使われるのが「水をかける」手法です。

素手で扱うことがないので、飼い主のリスクも下げれますし、長い棒のようなものを使って、万が一犬が怪我をするようなこともありません。

水をかけるという行為は認知科学的には

  • 水というここにはないはずのものが現れた
  • 水の存在という視覚的な変化
  • バシャン!という聴覚的な変化
  • 相手の犬も水に驚いたり、変化に注目する

などなど、たくさんの脳への刺激があり、それによって気をそらすことができます。そして、水は決してネガティブなものではありませんし、事故をおこすリスクも最小限です。

興奮状態では「コマンド」がそもそも耳に入ってこないこともありますので、水はかなり有効な作戦ですね。バケツ並みの水が必要にはなりますが(笑)

バケツくらいの水は必要!?

犬同士の喧嘩を予防する【動物予防学】

不必要な喧嘩は予防できるに越したことはありませんよね?

これまで

  • 犬同士の喧嘩の理由
  • 喧嘩の止め方

についてお話ししましたが、最後は予防法ですね。

まず、順位を把握しておきましょう

まず、犬社会には順位があって秩序があることを理解して、同居犬での順位を把握しておくことが大事です。

犬同士ではもちろん把握しているので、家族である飼い主も同じく把握しておいたうえで遊んだり生活を共にすることが大事です。

> 犬同士の順位を把握する方法はこちらから

> 犬同士の喧嘩の決着がついた瞬間とは!?

順位に応じた対応をしよう

順位が分かったら、順位に応じた対応をします。

  • おもちゃは優位のわんちゃんから先に
  • 食事を出すタイミングも優位犬に少し早めに出す
  • ほめるのも、優位なわんちゃんから先に

まぁ、弱いものいじめ、強いものひいきみたいでかわいそうなのもわかりますが、犬社会ではあまりかわいそうっていうものはないようで、

むしろ、順位が乱された方が混乱を招いたり、不要な喧嘩を引き起こすことにつながるので、ある意味この順位づけというのが一つの犬にとっての「平和のカタチ」なんですよね(笑)

個々のテリトリーは大切にしよう

優位犬、劣位犬に関係なく、それぞれが落ち着けるテリトリーは確保しておきましょう。

  • テリトリーで食事をあげる
  • テリトリーで睡眠をさせる
  • テリトリーでポジティブなことをする(ほめる、遊ぶなど)

そうすると、わんちゃんたちはその場所をポジティブな場所ととらえて、テリトリーにしていく傾向にあります。基本的に食事や睡眠など基本欲求を満たす場所は安全と判断してテリトリーとして認めやすいです。

人間でも、安心できる場所があると精神的にも落ち着きますし、帰る場所があるっていいですよね(笑)

いやー、改めて、犬という自分とは違う動物種の気持ちや行動を考えるって、想像力とか鍛えられるし、おもしろいですよね^^

今後も愛犬との共生のために、一緒に勉強してまいりましょう!

予防獣医師 NAOchan

当サイト「ZOOTIST」では「動物と人間と自然との共生社会の実現」を目指し、さまざまな情報共有をしています。動物と人間の共生のためには「動物予防医学」の普及はとても重要なことです。ZOOTISTでは動物0次診療®︎の理念のもと動物予防医学についてわかりやすくお伝えしまいります。当サイトでペットの健康について一緒に勉強していきましょう^ ^

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