愛猫の空間エンリッチメント

こんにちは。予防獣医師の直良です。

今回は、愛猫のためにできる環境エンリッチメント

空間エンリッチメント(空間的良化)

についてお話します。

愛猫の環境エンリッチメントとは「愛猫ちゃんがよりいきいきとストレス少なく生活できるような環境を作り上げること」です。

  • 猫がねこらしくいきいきと生活できる
  • 愛猫のパフォーマンスを最大限にする
  • 愛猫が安心できる環境

これらを基本的な方針として愛猫の生活環境を考えていきます。

愛猫のためにできる環境エンリッチメントといえばまず一番最初に思い浮かべることといえば「空間エンリッチメント」だと思います。

今回は、愛猫のためにできる空間管理についてご紹介いたします。

> 環境エンリッチメントについてはこちらから

愛猫のためにできる空間エンリッチメント

空調管理

まずあげられるのが生活環境管理の代名詞といえる

空調管理

です。

空調というと「温度と湿度の管理」を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は空調には「空気の浄化」も含まれます。つまり、

  • 湿度と温度の管理
  • 換気や大気の循環
  • 空気の清浄

これらが重要になります。

空気の汚れを改善することでアレルギー体質の改善や呼吸器疾患の予防にもなります。

また、ねこちゃんは体温調整が難しいいきものです。

ヒトは汗をかく(発汗作用)ことで体温を調整できますし

わんちゃんはパンティング(はぁはぁした息遣い)によって体温調整ができます。

しかし、ねこちゃんんは発汗作用はあまりありませんし、パンティングもほとんどしません。

愛猫がパンティングをしている場合はほとんどの確率で救急疾患なのですぐ病院へ。

ですので、愛猫の空間エンリッチメントのためには空調管理は必須といえます。

エキゾチックショートヘア
エキゾチックショートヘア

特にエキゾチックショートヘアのような「短頭種」(鼻ぺちゃな品種)の場合は温度湿度管理はとても重要になります。

ワンルーム 日光

さらに、窓などを用意して日中は日向ぼっこできるような環境にします。

日光に浴びれる環境の用意(サンシャワースポット)

体を自然と温められることも重要ですし、日光に浴びることも自然的刺激として重要です。まったく日に浴びないのも問題ですよね?(笑)室内猫あるあるです。

パーソナルスペースの確保

猫のパーソナルスペース
ねこちゃんのパーソナルスペース

愛猫にとってのパーソナルスペース。それは

隠れ家、お気に入りスペース

のことです。

猫は縄張り意識のある動物です。

そして猫の欲求には

「安全・安心できる欲求」というものがあります。

つまり、安心して休息できる環境が必要なのです。

十分に休息のできる安心できる環境

愛猫のパーソナルスペースで重要なのは、安心して睡眠できるスペースであるかどうかです。

猫のプライベートスペース
快適さも重要

そして、休息スペースには「快適さ」も必要です。

狭さ、暗さ、柔らかさ

この三点セットは重要です。

ねこちゃんは自分の身体がちょうどフィットするくらいの狭さを好む傾向にあります。

そして、明るすぎると休まらないので、適度な暗さも安心材料になります。

そして、前の項目でも言った通り、休息するスペースになるので、柔らかい素材(タオルなど)を利用して作るといいと思います。

多頭買いの場合は、

猫の頭数以上、休息スペースを用意

することが重要です。

他のねこちゃんとの奪い合いみたいなことが増えると、ストレスフルになることがあるので、自分だけの安心したスペースを確保するために立とう時幾の場合は頭数以上のスペースを作っておきましょう。

自分専用のプライベートスペースがあると愛猫にとっては最高ですね。

三次元で十分な空間

ちゃとらん キャットタワー
キャットタワー

三次元的な空間エンリッチメントが重要です。

どういうことかというと、

高さが十分に確保されているお部屋

であることが重要ということです。

なぜかというと、上下運動、跳躍をして移動することが猫の特技であり、行動特性だからです。猫がねこらしくいれる一つのポイントです。

また、高いところにいると安心するネコちゃんもいます。

高いところからの方が部屋の景色を確認することができるので、縄張欲求などを満たすこともできます。

キャットウォークで部屋全体を確認できるにゃ!

つまり、高さが確保された空間で

上下運動ができるキャットタワーなど

があるとなおよいでしょう。

猫の環境エンリッチメント キャットタワー
よいしょ。。。
猫の環境エンリッチメント キャットタワー
ふぅ。。。おちつくにゃ

跳躍、木登りなどの運動は猫らしい運動であり、ストレス発散などにも適しています。

キャットタワーではなくても、段階的に上り下りができるように家具を配置することも可能です。

椅子→机→キャビネット→タンス

みたいに、少しずつ高くなる家具を並べておくと猫ちゃんもそこを登っていくことができますよね。

自由に上り下りできる空間だと愛猫も喜ぶでしょう。

壁に猫用のステップ(キャットウォーク)を設置することも可能ですね。

しかし、三次元的空間を意識するうえで注意点があります。

スコティッシュフォールド、マンチカン、アメリカンカール、ペルシャなどの「骨軟骨異形成症」になりやすい品種の場合、

  • 骨瘤(関節が固く腫れること)
  • 関節の変形
  • 関節炎

などをおこしやすくなります。

もっとも使用する頻度の高い肢に症状が起きやすいので、このような猫種の場合は予防的には過度な運動は控えたほうが良いという考え方もあります。

こちらについてはより具体的な細かい話になるので、コンシェルジュの方でお伝えできればと思います。

床の状態

室内で暮らす猫ちゃんにとって「床」はとても重要な要素です。

自宅の室内でほとんどの時間を過ごす愛猫にとっては床の上にいる時間はとても長いからです。

どんな床が愛猫にとっていいものなのかを考えてみましょう。

床が清潔であるかどうか?

まずはこれですね。とても重要な要素です。

愛猫が床を駈け出したり、床の上で遊んだりするときにほこり(ダスト)がたつと、呼吸器系などの疾患のリスクをあげてしまいます

床に限らず、愛猫が行きそうな室内空間はこまめに掃除をしてきれいにすることをおすすめします。

休息スペースではやわらかい材質のものを

ねこちゃんはよく休息をするいきものです。一日のうち半分以上を睡眠についやすいきものでもあります。

なので、快適な休息場というのは環境エンリッチメントでもとても重要です。

特に清潔かつ柔らかい素材のもので作っておくとリラックスして休息をすることができるようになります。

さらに、床の素材として適しているのは「温度変化」が少ないものを選ぶといいと思います。

愛猫の空間エンリッチメント
温度変化の少ない床素材滑りにくい素材

たとえば、金属やコンクリートなどの材質は温度変化が激しい素材になります。

一方、木材や布素材、マットやクッションなどは温度変化が少ないです。そして、柔らかい素材のものが多いです。

ねこちゃんは温度変化の少ないもの、そして柔らかい素材のものを好みます。

そして温度変化の激しい素材は同時に滑りやすいという性質を兼ね備えていることが多いです。

金属やコンクリート、プラスチックなどは滑りやすいものが多いですよね。

フリーリングなども滑りやすい素材になります。

コルクマット フローリング
コルクマットも滑りづらい素材です

ダッシュするときなどに後肢(うしろあし)に大きなストレスがかかることがあるため、滑りすぎない素材のものを床に採用する、または床の上にはっておくと良いでしょう。

最近はペット用のフローリングなんてものも売られているみたいですね^^

キャットトイ(猫のおもちゃ)

おもちゃ

ねこちゃんは起きている間はとても活発に運動することが多いです。

特におもちゃなどがあると、遊びながら運動する機会が増えるので、ストレス発散になって生活の質も向上します。

ねこちゃんが一番気に入りやすいおもちゃは

おもちゃを紐でつるすタイプ

のものです。

予防獣医師 ねこじゃらし

これは飼い主さんと一緒に遊べるタイプのものですよね。紐の先についたおもちゃを愛猫ちゃんに追いかけさせます^^

簡易的なものだと、猫じゃらしタイプのものでもいいですね。

愛猫とのコミュニケーションにも役立つグッズになりますね。

注意点としては、そのおもちゃを紐ごと誤食しないようにすることです。紐状(ひもじょう)のおもちゃはよく誤食しますし、誤食すると腸閉塞をおこしてしまうこともあります。飼い主さんがしっかり管理しておきましょう。

胃内異物 予防獣医師
レントゲン画像:胃の中に異物がある

また

動かすと音が出るタイプ

のものも好みやすいです。

遊ぶと音がでるので、興味を示してまた遊び始めます。

聴覚を刺激するので、五感を使って遊ぶことができますよね。認知障害予防にも役立つと考えられています。

このように、ネコ用おもちゃによって

  • ストレス解消
  • 飼い主さんとのスキンシップやコミュニケーション
  • 認知障害を予防

という効果が得られます。

おもちゃでもう一つ注意してほしいことがあります。それは

小さすぎるものは避ける

ということです。

誤食 ホッチキス 予防獣医師
ホッチキスも誤食してしまいます。

小さいおもちゃはこれまた誤食率をあげてしまいます。

そして腸閉塞のリスクをあげてしまい、もし病院へ駆け込んだ場合

  • 催吐処置
  • 内視鏡
  • 胃腸切開

これはまじで避けたいですね…。

動物救急で勤務していた時は、若い猫で誤食が多い傾向がありましたので、

4歳以下の愛猫ちゃんには特に誤食は注意をお願いします。

空間エンリッチメントをぜひ実践してみてください。

いかがでしたでしょうか?

愛猫ちゃんのためにできる空間エンリッチメント、たくさんありましたね。

まだ実践していないことがあれば、ぜひ愛猫ちゃんや専門家とご相談しながら実践してみてもいいと思います。

わたしが運営している「ペットライフコンシェルジュ」でも愛猫ちゃんの環境管理(環境エンリッチメント)について個別で相談することが可能です。

環境エンリッチメントは長期投資的な視点が重要です。

一度愛猫ちゃんに適した環境にすると、そのあとずーっと生活の質を上げ続けることができます。

生活習慣だけではなく、生活環境にも気を遣うといいと思います^^

空間エンリッチメントは愛猫ちゃんがいきいきと暮らすことにつながります。

予防獣医師 直良拓朗
予防獣医師 直良拓朗

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