大学卒業後、獣医師として3年半夜間救急診療にあたっていました。

診療内容は多岐にわたり、基本的には「命を救うための治療」となります。

動物種も犬猫だけではなく

  • 哺乳類(うさぎ、モルモット、ハムスター、フェレット、マーモセット、ヤギ etc.)
  • 鳥類(セキセイインコ、オカメインコ、文鳥、烏骨鶏、野鳥 etc.)
  • 爬虫類(トカゲ、カメ、ヘビ etc.)
  • 両生類(ウーパールーパー、カエル etc.)

の診療経験があります。最初の外来はモルモットでした(笑)

夜間救急の経験によって得られたRESOURCEには下記が挙げられます。

救急医療の経験を予防医療に応用

夜間救急医療の多くの症例は、生活のレベルから予防することが可能です。

救急医療での症例は

  • 多くの症例は生死にかかわる
  • ほとんどの症例は予防できる
  • すべての症例は苦痛である

というのが現状で、救急医療の症例から予防医療のRESOURCEを積むことができます。

逆に、救急医療から得た予防医療の研鑽というものは

救急医療のお世話にならないようにする

うえではとても重要な情報となります。

わたしは、日々の夜間救急であたった症例に対して、その症状と疾患の原因を追究し

情報の統合、最適化を図り、より適した予防方法を解として出してきました。

名付けるとしたら救急のお世話にならないようにする「救急外来予防学」の礎となるものかと思います。

そして、動物予防医学を専門とする「動物0次診療®」を確立しました。

他院での診療の結果を研究

夜間救急診療の特徴として

普段は他院(ホームドクター、かかりつけ医)で診療を受けている動物が来院する

というものがあります。

普段の健康チェックや軽度症状の診療は地域のホームドクターで受けているものの、夜間では診療時間外なので、動物夜間救急医療センターに駆け込んでこられるのです。

その症例から学べることは

普段ホームドクターでなされている診療とその治療結果

昼間のホームドクターでの治療後から夜までの経過

です。特に後者は非常に多く、昼間の診療によって逆に病状が悪化している場合もあるのです。

また、ホームドクターによって診療スタイルが異なったり、使用する薬剤や術式、処置の方法が異なることが多いので、比較することができます。

そうすることで、より適した診療モデルを導き出すことが可能となります。

重症患者の入院管理からの研鑽

夜間救急を受けている動物医療施設のほとんどが日中では高度医療を実践しています。

CT, MRI画像検査や内視鏡検査、難易度の高い手術などが対応可能となります。

そして、セミナーなどを開催して日々研鑽を積んでいる獣医師や動物看護師が多数在籍しています。

その環境の中で、重症患者の入院管理や麻酔管理、手術後の管理、ターミナルケアなどを行います。

重症例や手術を経た患者のモニタリングを必要とする入院管理からも多くの研鑽を積むことができました。

それらの入院管理の経験を情報統合、最適化してよりよい予防医療や臨床応用につなげることが可能です。

専門科に分かれておらず幅広い診療経験

また、夜間救急医療では専門科に分かれていないため、

さまざまな症例を経験します。

  • 心原性肺水腫
  • 血栓塞栓症
  • 肺炎
  • 気管虚脱
  • 急性胃腸炎
  • 異物摂取
  • 腸閉塞
  • 胃拡張胃捻転症候群
  • 急性膵炎
  • 肝炎、脂肪肝
  • 急性腎不全
  • 尿路閉塞
  • 糖尿病
  • 高カリウム血症
  • けいれん発作
  • 急性代謝性疾患
  • 眼球突出
  • 寄生虫感染症
  • 子宮蓄膿症
  • 難産
  • 高所落下、交通事故

など、その内科的、外科的処置を行います。

さまざまな症例や疾患を経験することにより、動物医療をより多角的な視点からとらえることが可能となりました。

動物夜間救急でのRESOURCEの応用

上記の動物夜間救急医療の特性から

  • 予防医学のための研鑽
  • 一次診療での治療モデルの最適化
  • 一次病院から二次病院(紹介先病院)への患者紹介の仕組み
  • 重症例や術後症例の管理の最適化
  • 多数の診療科の症例の診療モデルの統合、最適化

など、新たなRESOURCEの構築が可能となります。

特に夜間救急医療と予防医学の親和性は非常に高く、

完全事後対応(救急医療)と完全事前対応(一次予防)の関係にあります。

より苦しむ動物たちが減らせるよう、予防医学や自然医学の充実が求められると考えています。